悠々 カヤック:写真紀行
[(9)見上げる穴見海岸]
穴見海岸展望所にて:夫婦岩、白島(拡大)と右手手前に赤島 2022年5月7日(土)
新コロ禍中、“No 蜜”なカヤック!県内のジオパークエリアから但馬での出艇の機会を意図し続けていました。当直や集団接種等の公務がなく、ライフワークのクラシック音楽の演奏会もない空白の日、天候に恵まれることが条件です。日本海はうねりや風向・風力等が妨げとなり、ハードルが高いのです。
天候に恵まれた2022年5月7日(土)、居組で出艇し、東に漕ぎ穴見海岸の岩島を訪ねました。
居組県民サンビーチ(左)。ビーチ西の石組み地で出艇(中)。凪の居組の湾内を漕いで日本海へ(右)
地図で事前確認し、居組県民サンビーチでの出艇を決めていました。風向、波を見て、西側のビーチの消波目的の石組み地で艇を整え、鏡面の静かな地で出艇しました。居組港は天然の良港との理解ができます。とくに、北側は岩島が湾内を守り、うねりは皆無で、静寂な鏡面の海でした。
出艇地から防波堤を回り、洞門などを眺める景勝地と評せる海域を漕いで日本海に出るまでが約1km。変化に富む海岸を横目に、少し沖合を漕いで、穴見海岸エリアまでさらに1km強のカヤックです。
海から眺める穴見海岸展望所(左)。西南から眺める当地の象徴、存在感を誇る大きな白島(右)
出艇地から、眺め、撮りながら漕いで45分ほどで、穴見海岸エリアに着きました。
出艇地を訪れる前、国道178号線の自動車専用道の端、居組ICを降りて(左折して、居組港に向かわず)右折し、至近の穴見海岸展望所に降り立って、海の様子を見て(本稿冒頭写真)、出艇を決定。
海から穴見海岸展望所を眺めるのは、勿論、初めてでした。同展望所からは、残念ながら海岸に降りる道が整備されておらず、結果、居組からの出艇でした。が、整備されれば、業者カヤックの適地とみています。
マッターホルン形状の白い尖塔構造の岩島は、白島。読みは(はくしま・しらしま・しろしま)?
近接し、南方向から撮影。右手前は赤島の端(左)。さらに近接し、白島の尖塔部を見上げて撮影(右)
問い合わせをし、新温泉町山陰海岸ジオパーク館の館長から返信をいただき、白島は しろしま。対比的な赤島と、夫婦島 めおとしま の名称をご教示いただきました。俄か勉強「諸寄居組付近の海岸の地質は、凝灰岩の地層で、約2500~1500万年前・・・。白は流紋岩質の凝灰岩、赤は安山岩質の凝灰岩・・・」。
名のある白島・赤島以外の大きくて見上げる岩島も白・赤が混在して威容を誇っています。
西から眺める岩島:赤島はどっち?(左)。北からの眺めで裂け目が特徴的な高い崖:赤島?(右)
近づけば、大きな岩島が並び、凪であったがゆえに、近づいて上を眺めると異様に圧倒されるほどでした。漕艇時に、赤島を知らなかったがために、この時は同定できていませんでした。が、赤色系の岩島が安山岩質の凝灰岩と知り、名称はマ良いかと・・・。
組写真の数が多くなり割愛しましたが、近接写真は同定が一層困難となり、岩間から展開する景観に圧倒され続けました。国道の穴見海岸展望所からの風景は、風光明媚と評せましょう。が、シーカヤックからの光景は、想定外に自然の力強さを感じるほどでした。百聞は一見に如かずの類です。
となれば、自身の感動を他の愛好家にも体感して欲しいとのオセッカイ感覚が沸き上がります。
東から順光で眺める白島(左)。近接し、見上げて、尖塔部を望遠撮影(右)
岩島地帯を北東方向に抜け、白島を順光となる東側からも眺めました。近接し、尖塔部の威容を見あげた後、反時計回りに北側へ。反時計回りに周回する気持ちもありましたが、北側のテラス状になった地に、「多い!」と感じたほどの太公望が!渡船で当地に移動し、海釣りを堪能している人たちであり、妨げにならないように、周回は遠慮し、東海域をゆっくりと戻りました。
西に漕ぎ、マッターホルン形状の白島の尖塔に感激し、西側には夫婦島が。手前中央は赤島!
東海域を海岸に近づき、ゆっくりと西に漕いでいたら、岩島の間からスイスのマッターホルンが見えて来た感覚を抱いたほどに、白島の尖塔が見えて、追加の感動!行き来し、動画も撮影した次第でした。
その西側には角度・見え方が異なりますが、夫婦岩が体を寄せ合うカップルのように見えて心を和ませた次第でした。そして、本両岩島の間に、個性的な赤い頂を見せているのが赤島!稿を書く際に、写真を整理していて赤島と知り得た次第でした。
日本海が透けて見える洞門(左)。夫婦岩の間に顔を出したマッターホルン!(右)
国道の穴見海岸展望所から眺める景色が、驚くほどに変化し、見上げた白島、赤島などの大きな岩島に感動しつつ、凪の海でもあり、界隈で約40分、のんびりとしたシーカヤックでした。さらに東に漕げば、釜屋海岸を経て、諸寄に至ります。JRで居組駅で下車し、艇を出して、東へ漕艇を続け、諸寄で艇を上げて、諸寄駅からの帰鳥もあり得るな・・・と、機会に恵まれることを心しています。
マイカーを置いている居組への復路は、雲と風が出たことで、海岸に接近せず、往路と同様、少し沖合を漕いで戻りました。約2時間半の全行程、居組海岸は別の機会に・・・。
★ 新温泉町山陰海岸ジオパーク館 館長 谷本 勇様から提供していただいた写真
機会を見出して、訪問させていただこうと思います。
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◆ 鳥取県東部医師会報 2023年7月号 p43-48の原稿です。
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