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[(11)満月と干潮~奇岩

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2022年7月14日(木)古宇利島の南東側で出艇(左)。沖合を漕艇(中)。艇底がつかえ降りて沖合に移動中(右)

 2020年シーズン、新コロ禍中で“No 蜜”環境のカヤック出艇回数が急増した。西欧に出かけられないため、2021年初夏に“日本の海外”沖縄でのカヤックを夢想した。カヤックを前提に、地図で確認すると沖縄本島北部の本部半島の海域で珊瑚礁の海が広がっていることを確認し、具体的な催行企画を整えた。が、同時期、沖縄は緊急事態宣言下で、中止した。転じて、ワクチンの集団接種をこなした。
 2022年はプーチンの侵略戦争もあって、渡欧が叶わず、沖縄でのカヤック三昧が実現した。
 ゴム(塩化ビニール)製のカヤック・パドルを専用袋に詰め込み、衣類等はリュックに入れた。7月9日()、神戸空港からスカイマークで那覇に行き、高速バスに乗り、連泊地の名護市に移動した。
 10日()から4日間本部半島の珊瑚礁の海でのシーカヤックを続けたが、干潮に苛まされた。
 バス停・ダイヤ、潮流等は調べていたが、月齢に係る情報は未確認だったのです。

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奇岩に驚いた(左) 顔!両眼が岩、眼周囲は緑で、大きな鼻。地面が口元(右)。デフォルメされた獣の横顔右)

 現地で漕ぎ始めてから、14日がスーパームーンの満月と知った次第。満潮時間帯は良いが、干潮期には、艇の底を傷つけての空気漏れは避けねばならない。10日から4日間、何とか漕艇し得た。14日当日は、漕げない懸念を抱いた。が、幸い、現地でやんばる急行4島線のミニバス$を見出し、願っていた古宇利島に行くことが出来た。干潮から海面が上がり始めた13時前に自室を出発。専用袋に艇一式、約10㎏を持ち、名護バスターミナルから路線バス66(本部半島反時計回り路線)に乗った。
$:やんばる急行は、本部半島のリゾートホテルと那覇空港を結ぶ空港線が主要路線で、本部半島の(北から)古宇利島、屋我地島、瀬底島を結ぶ路線が4島線で、ミニバスが毎日数本巡回運行しています。

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唖然とした。マッシュルーム!いつ崩壊する?!(左)。またしても(右)

 今帰仁村(なきじんそん)役場至近の仲宗根バス停で下車し、ミニバスに乗り換えました。ミニバスは、半島と屋我地島を結ぶ峡谷に架かるワルミ大橋手前の展望所駅で一時停車。観光名所の古宇利大橋~古宇利島の俯瞰、眼下の海峡などの景観に優れた地で、若い娘たちと記念写真を撮り合えた。(彼女らに頼まれて撮り、彼女が撮ってくれた。)大橋を渡り、所要約1時間で、古宇利物産センター到着。

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東岸海域ゆえ、逆光:形状が異なる背の高いマッシュルーム様奇岩(左)。パイプ構造の奇岩。成因は?(右)

 古宇利島の東南部、古宇利大橋の下に広がる古宇利ビーチで艇を整えた。が、依然、干潮期であり、観光客がビーチ沖合まで歩いていた。自身、初体験の光景でした。艇底を擦らない地、かなり沖合まで艇を移動し、膝下まで深さがある地で、艇に座し、さらに海岸線から離れ、北へと漕ぎ始めました。
 が、何と艇底の腹ヒレがゴツン! 逆パドリングするなどして回避を試みたが、再々ゴツン!で、致し方なく、艇から降りて、さらに沖合へ歩き、膝上の深さに至った時点で、再び艇に座した次第。カヤック満12年での初体験で、おそらく今後も体験しないでしょう。【ここまでが冒頭組写真の解説文】

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大きな目・口を開けた獣様の奇岩(左)。珊瑚礁と群れる熱帯魚(中)。波が寄せる環礁:干潮期の浅瀬(右右)

 古宇利タワーの東沖海域を過ぎ、海の深さを確認しつつ、艇を海岸に近づけつつ漕艇した。

 獣の顔を思わせる奇岩 15:01。同デフォルメ調の奇岩 15:04 に驚いたのは、いわば序の口でした。押せば倒れそうなほどに基部が細いマッシュルーム形状の岩に驚嘆 15:14、15:21。かつまた、パイプ形状の奇岩15:24も、呆れつつ眺め入った。成因は、ハテ?!
 さらに、獣が大きく口を開けたような奇岩も続きました。

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紹介済の奇岩(左下)。人気がない地(左)。上陸記念の撮影(右上)。岩にカメラを置いて記念撮影(右下)

 珊瑚礁の海ゆえ、熱帯魚との出会いも見逃せません。海中も眺め、撮影15:25し、古宇利島の北部へ。珊瑚礁の海が狭まっている地(環礁が海岸に近い地)で、またしても艇底がゴツン!想定外でした。
 環礁が見える写真15:34を残し、艇から降りて、北側に移動することは中止。海岸線長7.9 km(≒多鯰ヶ池2.3周)の古宇利島の全周は他の機会として、出艇地へ戻ることにしました。
 この頃になって、「スーパームーンの干潮時間帯であり、潮位が非常に低いことで、稀有な景観を体験し得た。貴重な写真を残すことが出来た」と、遅まきながら気づいた次第でした。
 漕艇記念に、干潮期に体験できる砂浜に艇を上げて15:55、写真を残せました16:05。同組写真左下の15:40は2022年9月号、トピックス3でご紹介済です。

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往路は浅瀬で漕げなかった海域(左)。スーパームーンの干潮期ならではの光景と確信した(右)

 復路の後半は、気づけば、往路で漕げなかった海域も難なく漕艇できました。
 出艇地に近づき、時間調整を兼ね、古宇利大橋の下も記念に漕いだ後、砂浜が後退した古宇利ビーチで艇を上げ、物産館・界隈でのんびりした後、最終便のミニバスに乗車しました。

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ミニバス車窓:古宇利大橋(左)、左・東南に国立療養所沖縄愛楽園(中)。スーパームーンと名護湾(右)

 古宇利島へは、同大橋1960mの架橋により、レンタカーでの移動は容易です。が、本部半島の路線バスは運行数が少なく、とくに、古宇利島を行き来する便は稀有であり、行程設計に難渋しました。
 転じて、日本海では、朝凪時間帯がシーカヤックに適しています。夏季の午後は、陸地の気温が高くなり、海風が吹くため、浦富海岸では岩場に波が砕け易くなるため、漕艇を想定しません。沖縄に出かける前は、まさか、干潮時間帯を避けるため、午後になって、出艇することになろうとは・・・。
 2022/7/14 スーパームーンの満月は、名護に面するホテルゆがふいんおきなわ自室バルコニーから眺め、23:18に撮影しました。

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 古宇利島の地図(Google)と漕艇コース(概略)を示しました。漕艇距離は約5km(Mapion)。

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 鳥取県東部医師会報 2023年11月号 p.50-58 の原稿です。

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