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[(22) Alte Donau

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2025年5月12日(月)ウィーンAlte Donauの Kaiserwasserで出艇(左)。湖畔に降りる石段(右)

 2024年7月、スイスにゴム(塩化ビニール)製の愛艇を持参し、湖で漕いだ実績を基に、ウィーンでも漕ぐことも具体化した。
 内陸国のオーストリア、ウィーンのドナウは南北に4つ。旧市街地に近い西側から、ドナウ運河Donau Kanal、ドナウ川本流Donau、新ドナウNeue Donauと古ドナウAlte Donauが連なります。
 その昔、氾濫を繰り返していたドナウは、(シシィSisiこと、皇妃エリザベートを愛し続けた)フランツ・ヨーゼフ1世の統治時代に河川大改修が行われ、現在に至っています。氾濫を繰り返していた痕跡は三日月湖形状で、ウィーンの南地方で地図からも分かりますが、市内ではAlte Donau(Old Donau)が該当し、上流部から本流の流れを少し取り入れ、下流に流す方式で、穏やかな湖のようです。結果、湖はウィーン市民のレジャー(ヨット、各種ボート、水浴)に活かされています。

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湖様Kaiserwasserの西側は国連のビル群が並ぶ(左)。白鳥が近接したので記念に撮影(右)

 ウィーンでのカヤックについてWeb検索すると、Alte Donauに業者カヤックの写真が得られたのです。調べたら、集合場所は、地下鉄1号線、国連駅の南側・Kaiserwasser至近地でした。
 自主設計のウィーンは2012年5月以降2019年9月が10回目で、土地勘はありました。地下鉄1号線はドナウ本流からは高架橋となります。新ドナウを過ぎると順光の北西側に国連・関連の個性的な構想ビル群が連なり、大学建築学科をめざした身ゆえ、車窓は専らこちら側で、南は見ていませんでした。
 新コロ禍中と侵略戦争での空白の4年間を経て、クラシック音楽愛好・ウィーン連泊初体験の淑女2人を伴った2024年5月は、空いた時間に出艇地の下見に出かけました。
 業者企画の集合場所から歩くと、幸い、駅最至近の公園下に木製の桟橋があり、湖を思わせるKaiserwasseを初めて視認し、かつ、最適の出艇・上艇地を確認し得ました。

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Kaiserwasserを東方へ漕ぎAlte Donau隣接部へ(左)。歩道橋の下を通過し、振り返り撮影(右)

 2025年5月は単独行(8回目)のウィーンでカヤックが実現!
 前年、下見した木製桟橋の上で艇を整え、出艇時には、白鳥2羽が歓迎してくれました。

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Kaiserwasserを出てAlte Donauを北上:国連のビル群、ドナウタワーと湖畔の係留ボート群

 出艇後、公園となっている北岸沿いに漕ぎました。数か所、石段があり、各所に救命用浮き輪の設置もありました。環境に親しむがごとく、ゆっくりとした漕艇で、再々、振り返り撮影も。
 Kaiserwasserの出口には、Web地図で確認済でしたが、歩行者用の橋があり、これを通過すると、Alte Donauの主体湖域になります。予定通り、北へと漕ぎ始めました。
 間もなく、艇の進みが悪く、パドルの抵抗が増していることに気づきました。Intexのカヤックはタンクが2つあり、座面のタンクの張りが弱くなっていると認識しました。
 東側・対岸に上艇可能な桟橋があり、艇を近づけました。業者設営と分かったのは、男性が作業をしていたためです。「Hello! Air leak. Rescue---」を発し、了解を得て、桟橋に艇を上げた。ボストンバルブを確認し、電動ポンプで加圧した後、再出艇し、北側へと漕ぎ始めた。

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Alte Donauの峡部に係る橋を北へ(左上)。女性4人が乗るボートが近接(左下)。地下鉄1号線(右)

 レジャーボートやヨットが多く係留されている様を目に留め、国連のビル群を眺め、さらに、ドナウタワーも視界に入り、記念に撮影。・・・またしても座面の圧の低下・・・。再度、艇を整えて出艇。

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緑が映える高級住宅と桟橋:快晴の空と湖面のコラボが美しく撮影

 Alte Donauでの初出艇は、北端までの往復約10kmのコース設定♪をしていました。が、再々の空気圧低下は困惑至極!幸い、艇を上げる適地は各所にあり、3回目の調整後、出艇地に戻ることを決定。

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♪komoot(www.komoot.com/de-de)を活かし、散策路の往復を計測

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Alte Donauの北方向:ドナウタワーと市の北端・カーレンベルクの山(上)。係留中のヨットは営業用と判断(下)

 平日の午前中でしたが、子どもたちの歓声が聞こえました。2艇に子どもたちが乗り、湖面に手を入れるなどし、楽しんでいる様子を見ました。授業・・・ どんな科目?

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平日の午前中だが、子どもたちの歓声が聞こえ、近接して撮影:緑・青空とドナウタワーが美しい

 Alte Donauで出艇した事実に感謝しつつ、ウィーン市の北端に位置、鉄塔がある484mのカーレンベルク山Kahlenbergと、丘陵地の東・右端に教会が見える425mのレオポルツベルクLeopoldsberg
を望遠撮影した後、出艇地へと転進しました。
 両山の手前・南裾野は葡萄畑が広がり、ベートーヴェンの交響曲第6番〔田園〕第2楽章[小川のほとりの情景]作曲の動機となったとさせる小川沿いの小径Beethovengangがあり、「遺書の家」もあるハイリゲンシュタットになります。なお、手前の円柱状のタワーは、Alte Donauの北端に位置する113mのFloridsdorf 地区にあるFlorido Towerです。

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Alte Donauの北を望遠撮影(上)。Kaiserwasserに戻り、憩う様子を撮影(下)

 残念な転進を余儀なくされ、Alte Donauを南下し、Kaiserwasserに入る辺りから、座面の空気の張りが低下していると認めつつ、出艇地へと漕ぎ続けました。勿論、沈むことはなく、転覆もあり得ません。速度の低下を体感しつつ、環境に浸りました。
 Kaiserwasserでは、白鳥との再会と共に、若い男女が緩速で走るボートを行き来させる様や、フト気づくと泳いでいる人も・・・。水温が低いウィーンでの水浴を終え、彼は石段を上がって行きました。

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◆ ドナウ川の地図解説(Mapcarta) DC: ドナウ運河 D: ドナウ本流 ND: 新ドナウ AD: 古ドナウ DT: ドナウタワー KW: Kaiserwasser ★: 出艇地 ①・②・③ 上艇・空気加圧地 拡大地図の赤線:地下鉄1号線

 「ウィーンでカヤックを漕ぎたい!」との発想も、沖縄、スイスと同様、新コロ禍中が端緒でした。即ち、3密を避け得るカヤックは、2020年度は地元での出艇回数が急増し、2022・2023年7月に沖縄本部半島のサンゴ礁の海でのカヤックを達成し得ました。
(付:2021年は沖縄本部半島のサンゴ礁の海でのカヤック三昧を計画し終えていましたが、沖縄県が緊急事態下となり催行中止。新コロワクチンの集団接種を精力的にこなしました)。
 そして、2024年は単独でスイスに行き、湖上カヤックを達成しました。となれば、ウィーンでも・・・と夢が広がった自身にとっては必然の経緯でした。
 さて、還暦記念で始めたカヤックの初代艇は、知識0%でしたが、偶然、ネットオークションでヒットし、ゴム(塩化ビニール)製で空気を注入するタイプのカヤック(Inflatable Kayak)Bestway(英)のWAVE LINEを入手できました。その後、安価なDoppelganger(独)艇に出会えて購入し、家族と共に出艇しましたが、ゴムが薄く、膨れ過ぎるなど、2艇を廃棄しました。
 次いで、Intex(米)のCHALLENGERに出会い、購入しました(一人乗りK1)。Intexは、Inflatable KayakシェアNo.1企業(Bestway社がNo.2)と知り、家族出艇用にK1を追加し、二人乗り(K2)艇も購入し、5人で楽しむことが出来ました。その後、初代のWAVE LINEが12年目に劣化による空気漏れを確認し、廃艇としました。
 一方、高評価で予想外に長く使えたBestway のWAVE LINEは、国内で入手できず、同社の後継艇COVE CHAMPION を入手しました。が、(メインタンクが左右に分かれている)構造上、安全面でIntexに劣ると評価をしました。
 2022年7月、沖縄のサンゴ礁の海でのカヤック用に、Intex K1を新たに購入し臨みました。(同3艇保有)。ウィーンに持参した艇は、2代目でした。
 2026年7月は宮古島のサンゴ礁の海でのカヤック三昧を詳細に計画済でしたが、ウィーンでの劣化を体験し、催行を中止しました。齢75歳、カヤックは15年で終焉・・・。とはならず、新艇を購入し、石垣島や宮古島に出かける?!

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 鳥取県東部医師会報 2025年9月号の原稿です。

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