悠々 カヤック:写真紀行
[(14)運天港発]
運天港で出艇(左)。南・ワルミ大橋(中上)。フェリーが入港(中下)。航跡に留意(右上)。振り返り撮影(右下)
捕らぬ狸の皮算用。2023年7月は8日(土)に神戸空港からSKYMARK第一便で那覇に降り、バスで名護市へ。南風に乗り、カヤックで北上する計画でした。が、風が強く、断念し、自室でくつろぎ、夕凪を期待し、名護湾でのサンセットカヤックを目論見ました。ホテル至近の浜で、夕方に出艇しましたが、外海はうねりがあり、早々に艇を上げた次第でした。翌日も南風が強めの予報で困惑!
出発前に未計画だった運天港での出艇を想起。幸い路線バスが見出せました。で、運天港から北上し、南風の影響が弱まる本部半島の北側、サンゴ礁の海を西へ漕ぐコース(約12km)を実行しました。
本数が極めて希少の[やんばる急行バス YKB-888]で運天港へ移動。名護バスターミナル前で乗車し、終点での下車は勿論初体験。運天港での出艇は、業者カヤックの催行写真をWebで確認済でした。出艇地は本部半島側西南のマングローブ林海域で、凪の海で出艇。南にワルミ大橋を遠望し、釣り客の支障にならないように迂回し、運天港を北上。期待通り、追い風で呑気なパドリングになりました。
北・古宇利島の手前にフェリー(上)。魅せられた海岸:艇を上げて小休憩するには早すぎる(下)
運天港には本島の北にある伊平野島、伊是名島からフェリーが入港します。フェリーいぜな が近接し、入港する様を眺め、動画を含めて撮影。美しい海岸と海に魅せられつつ漕いでいたら、フェリーいへいや も視認し、追跡。古宇利大橋・カエル島(逆光)と共に眺め10:16、撮りつつの漕艇でした。
列を成す島影:右端は古宇利島(上)。ダイビング船の船長に確認したら「漕いで行くのか?」と(下)
本部半島の東端を北へ移動すると、期待通り、凪の海!北に島影を遠望。「伊平野島・伊是名島だろう、他にはない」と思いつつ、スキューバダイビング客を誘っている小型船に近接。船長に声をかけて確認したら、(良く分かったなと)少し驚いた表情で「そうだよ!」と。さらに、「漕いで行くのかい?」と、これは揶揄されたとの認識でした。とても無理な距離で、命がけになりますゆえに・・・。
伊是名島に帰っていくフェリーいぜな(上)。ウッパマビーチとリゾートホテル ベル・パライソ(下)
本部半島の北東側は、途中、標高52.7mの運天展望台など20~50mの丘陵地で、崖下の海は南風が吹かず、凪になります。ゆえに、環境を満喫すべく、かつ、時間に囚われない自由な行程なので、極上のシーカヤック機会に恵まれたことに感謝しつつ、のんびりとした漕艇でした。
界隈は今帰仁村(なきじんそん)です。今帰仁漁港を周回すると、ウッパマビーチが目に入ります。同ビーチは約1.5kmあり、リゾートホテル ベル・パライソがランドマークです。
深海魚?(上)。振り返り撮影~ベル・パライソ▼は遠くに(中)。村民の浜の東側の海は秀逸至極 (下)
ウッパマビーチを西へ漕いで行くと、砂浜が失せ、崖になる辺りの西に防波堤で囲まれた人工ビーチの海水浴場“村民の浜”があります。高台に今帰仁村総合運動公園があり、今帰仁風力発電所も。
カヤックの漕艇中は、その風力発電装置(組写真 →)がランドマークとなります。
“村民の浜”近接地に、深海魚に見えた岩があり、勿論、記念撮影しました。
岩を通過後に、振り返り撮影も。ホテル ベル・パライソ▼と深海魚岩の間、遠方は沖縄本島です。
南側の海岸は丘上からの緑が迫り、海面・海中の色合いに魅せられ、艇を漂わせるひと時でした。
大井川 (上)。アダン(上右)。河口近くの浜で小休憩・←は漕艇方向(左下)。今帰仁村の北海域を西へ(右下)
風力発電装置を眺めつつ、西に漕ぐと、業者カヤック企画が多いマングローブ林で著名な大井川エリア到着です。大井川は南へ1.5kmほどの長さで、海に広く口を開けた河口を漕ぐことになります。
河岸の景色に親しみつつ漕げました。が、その際、南風で川面が落ち着かず、波立つ向かい風!
南西岸へ約200m漕いで渡り、凪になった川面でマングローブ林に親しみました。パイナップルもどきは、アダンであると学びました。パイナップルは草、アダンは木で、身は食用に適さず・・・と。
浜に艇を上げ、小休憩した後、追い風となる大井川河口を海へと漕ぎ、さらに西へと進めました。
奇岩が続く海域(上)はサンゴ礁の環礁↓が自然の防波堤となり穏やか(中)。振り返り撮影:▼は古宇利島(右)
大井川河口から西の海域は、サンゴ礁の環礁が海岸に迫っており、漕艇前から、この日の難所と位置付けていました。海岸には奇岩が多く、魅せられつつ、一方、浅瀬の鋭利な岩に留意しての漕艇です。風は南方向から3m/s.程度の予報で、苛まされることがないとみていました。が、然に非ず。再々、上空に雲が近接し、向かい風と(うねりはありませんが)海面の波立ちに苛まされたのです。
とても綺麗な海域なので、のんびりしたいのですが、パドリングを止めると艇が流され危険に晒されます。狭いサンゴ礁の海を、安全確認をしつつ、セッセと漕がざるを得ませんでした。
風が止んだら、すかさず撮影。記念に振り返り撮影も。古宇利島の全容▼が見えていました。
サンゴ礁の環礁により海岸は平穏ゆえにマリンレジャー海域:砕ける波と伊是名島・伊平野島を遠望(上)
サンゴ礁の海が広がる海域は、ゆとりを持っての漕艇でした。いつしか、雲の近接が失せれば、凪の海となります。ホテル等の点在をも眺めつつ漕いでいたら、長浜ビーチから業者カヤック、SUPの人たちと遭遇。岩場を通過した後、西側のサダハマビーチでもシースルーカヤックとの出会い。インストラクターは救命胴衣を着けず、SUPでの見守り。界隈は、各々約300mの浜が連なっています。
本稿を書く際に、時系列、地形から、長浜ビーチ、サダハマビーチを特定した次第でした。
奇岩などに魅せられつつ西へ(上:左右)。目的地・親泊海岸とみた(左下)。今泊のバス停至近で上艇(右下)
弱い南風予報でしたが、西南からの向かい風がその後も断続しました。サダハマビーチの西端に大きめの岩島があり、近接し、凪になっている海で小休憩。
間もなく、通天橋構造の奇岩に魅せられました。
伊江島タッチューを視認し、目的地が近いとの実感もあり、達成感を得つつのひと時を漕ぎました。
前方に親泊海岸と分かる浜が見え、本音は、初体験の海域であり、「やらやっと目的地に到着した」感をも抱きつつ、艇から上がる地を定め、無事完遂。
約12km、5時間半近いシーカヤックでした。
なお、漕艇距離の概略は、CASIO 提供のKeisan(「計算 距離」で検索:提供終了)を用いました。
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地図(Google)と漕艇コース概略を示しました。
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◆ 鳥取県東部医師会報 2024年5月号(p.34-40)の原稿です。
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