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[(13)水納島を周回]

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渡久地港港発の高速船。水納島に近接(左)。水納港に入港(中)。海に魅せられつつ、桟橋に固定作業中(右)

 水納島? ? 読み方が定着するのに少々時間を要した「みんなしま」は、本部半島の西方、瀬底島の西にある孤島で、海の透明度が高いこと、形状から「クロワッサンアイランド」と呼称され、人気の観光スポットです。本部半島の渡久地港から水納港までは高速船で15分。高速船の愛称は「ニューウイングみんな」です。渡久地港? 読みは同様に難解で、何回も確認し、とぐち港が定着した次第です。
 2日後がスーパームーンとなる日の2022年7月12日(火)干潮で漕げないことも覚悟して、ホテルを発ちました。定番的に約10㎏の一式を麻袋に詰め込み、路線バス[65]で、渡久地港至近の谷茶(たんちゃ)で下車。9時出航の第一便に、最後の乗船客として乗り込み、左舷船尾近くに立ちました。船上から、瀬底大橋、瀬底島を眺める位置です。幸い、本部港から伊江島に向かうフェリーが瀬底大橋の下をくぐり、近接して来る希少な機会(1日4便;夏季5便)に遭遇しました。(組写真は割愛)

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高速船が出航(左上)。出艇準備完了(左下)。水納ビーチ(中)。北方向沖合の伊江島タッチューを遠望(右)

 水納島に近接し、港内に入ると、コバルトブルーの色合いに魅せられました。停船するまで、眺め続け、後甲板に置いた麻袋を抱えて下船。桟橋上で出艇の準備をしつつ、定刻9:30に水納港を出港し、基地の渡久地港に向かう高速船を見送った後、桟橋の西隣、水納ビーチの東端に艇を浮かべ、記念撮影。
 水納港・ビーチ前は水深が深く、出航が出来たのは幸いでした。水納島の周回はハテ・・・。

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沖合に白波~サンゴ礁の環礁が自然の防波堤:水納島の北西方向(上)。島影は沖縄本島・南西(下)

 左手、南側の水納ビーチの賑わいを眺めつつ、一方、北側の伊江島を視認しつつゆっくりとした漕艇を続けました。際立つのは「タッチュー・城山・グスク」で、172.2mです。成因について、伊江村の Website に解説があります。「島より7千万年も古く、世界でも珍しいオフスクレープ現象(古い岩盤が新しい岩盤に潜りこむ中で一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗る現象)」とあり、火山との思い込みは誤解!
 計画通り、反時計回りの周回を開始しました。北西部海域は、広いサンゴ礁の海で、遠方に環礁に波が砕ける様も眺めつつの漕艇でした。海面は、西南3m/s.の風で波立っていますが、うねりは皆無です。
 日本海はうねりと風による波の混在で、とくに、岩場では危険を伴います。が、今回は、浅瀬に留意!

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水納島はクロワッサン形状で人気~凹部分★は干潮で進めず:西南端(左)。北側(中)。南・対側の岩島(右)

 水納島の北西端を漕ぎ、南に降り始めたら、想定外でしたが、早くもコツンを体感。腹ひれが、浅瀬のサンゴ礁の岩にぶつかった証で、ゴム(塩化ビニール)製の空気を膨らませるカヤックゆえに、危険!
 空気漏れを来したら一大事です。静かに後進し、沖合へ迂回しての漕艇を余儀なくされました。
 南下し、西南端に至ると、海底は浅瀬となり、パドリングを止めて、進行方向になるので、風に流されていたら、気づけば動いていない。西南端に至ると、海底は浅瀬です。進行方向になるので、パドリングを止めて、風に流されていたら、気づけば動いていない。何と、腹ひれの衝突音・感覚なしで、艇が浅瀬に乗り上げた状況。
 本来なら、クロワッサン形状の凹部・北方に進入するのですが、素直に諦め、南へ艇を進めました。

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水納島の西南部沖合に荒涼たるカモメ岩:望遠撮影(左・中)。岩の西南部(右上)・望遠撮影(右下)

 カモメ岩も反時計回りに周回することにし、水納島から300m余の岩の北東側へ、カモメを刺激しないように近接。望遠撮影を含めて、記念に残しました。カモメ岩は、石灰岩特有の凹凸が激しい緑が見えない荒涼たる岩島。南側にゆっくりと艇を進め、西南の風に流されるように、しかし、岩に近接し過ぎないように調整しつつ過ごしました。西に張り出した地にカモメが群れを成している様子も撮影。
 カモメ岩の北には、カモメ岩のビーチがありますが、眺めるのみで、近接せず、東へと漕艇。

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水納島の南海域を東へ:カモメ岩(左)。カモメ岩のビーチなど(中)。海中・サンゴ礁にも目を留めつつ(右)

 水納島の住所は本部町瀬底です。本部町(もとぶ町)観光協会の紹介文を引用します。
「美しいエメラルドグリーンの海上に浮かび、珊瑚礁に囲まれた、面積わずか0.56kmの小さな島。人口50人あまりの島ですが、生徒数人が通う水納小・中学校もあります」。
 地図で確認すると、水納島の北側ほぼ中央に水納港があり、その南側に標高27mの丘状の地が北風を防ぎ、その南隣接地、標高10m界隈に集落があります。クロワッサン形状の凹部から南には人家は無く、とくに、東南部は車道らしきが見当たりません。
 水納島の東南端は白砂の砂浜です。探訪時は、干潮期であり、美しい浜が広く、続いていました。南東の高台には、水納島灯台があり、周回時のランドマークとなります。灯台に至る散策路があるようで、浜に降りることも可能ですが、人影は皆無でした。結果、貸切のプライベートビーチとなりました。

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水納島南東端:灯台下のビーチ(上)。白砂の浜に艇を上げて“プライベートビーチ”で小休憩(右)

 白砂の砂浜に見えた訳は、白化した樹状サンゴの小片が一面に広がっていたためです。病院の某看護師さんが、お土産に所望していたことを思い出し、艇を浜に上げ、休憩がてら、若干採集しました。

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水納島の東:干潮で環礁が海上に(左)。北側に伊江島タッチューを遠望(中)。海中撮影(右)

 灯台下のビーチから約200m東にサンゴ礁の環礁が広がります。ここから東へ、約3kmの地に、瀬底島・瀬底ビーチがあります。海流を配慮する必要がありますが、漕いで渡りたい衝動が再三再四!が、わが彼女に「外海は漕がない」との約束で、初体験の沖縄でのシーカヤックを催行している身であり、躊躇しました。ところが、何と、水納島の東海域の環礁が海面に露出していたのです。通過不能!
 環礁に至る手前で、艇の腹びれがコツン!で、大人しく、静かに後進を余儀なくされました。シュノーケリングの若い男女を垣間見つつ、浅瀬に留意し、海中にも目を留めながら、北へと移動しました。
 間もなく、水納港の桟橋を視認し、浜の様子を眺めつつ、出艇地に帰還。しばし、余韻に浸った後、艇から上がりました。

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水納ビーチ・水納港に帰還(左上)。艇を上げて撮影(左下)。サラバ水納島(右)

 13時過ぎ、桟橋の西側・水納ビーチでは海水浴客での賑わいを、一方、桟橋の東側・港南ビーチ側はマリンレジャーに興じる(時々、「キャーキャー」と発する若い声を含め)光景を微笑ましく眺めつつ、 艇の空気を抜き、麻袋に詰め、予約済の13:30出航の高速船に乗り込みました。

 復路は、後甲板の右岸側に立ち、去り行く水納島、右舷側・南側の瀬底島、瀬底大橋を眺めつつ、渡久地港へ。

 往路同様、路線バス(逆循環の[66])でホテルに帰還しました。

 なお、今回の催行は2022年7月12日でした。

 小潮の2023年も再訪を願いました。が、残念ながら、南風が強い日々で、水納島再訪の機会には恵まれませんでした。

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◆ 水納島の地図(Google)と漕艇コース(概略 約5km)を示しました。

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HPのみの備忘録地図(Google)

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 鳥取県東部医師会報 2024年3月号 p.42-48 の原稿です。

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