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[(7)エンジェルロード

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2010/8/2 満潮期のサンセットカヤック(左)。海面下にあるエンジェルロードを眺めつつの漕艇開始(右)

 「小豆島に行ってみたい」と彼女が願った。夫婦とも初体験の小豆島へはフェリーで渡ることにした。オリーブ園、映画「二十四の瞳」の岬の分校、寒霞渓へのドライブなど定番の地と、干潮になると現れ、歩いて島へ渡ることができるエンジェルロードを知り選択した。一方、夏に小豆島となれば、カヤック!調べたら、案の定、業者によるカヤックがあったが、エンジェルロード海域ではヒットしなかった。
 幸い、ドッペルギャンガー(独)の二人乗り艇を見出せた。専用袋、二人分のパドルと12V電動ポンプ付、税込・送料込で9,000円弱(夫婦で業者カヤックを体験する料金並だった)であり、購入した。→$末尾
 「日焼けするからダメ!」を「紫外線が弱くなるサンセットカヤック」「30分!」と何とか口説けて出艇に至った。隣接したエンジェルロード公園内に無料駐車場があり、艇を整え、出艇地へ運んだ。
 満潮期で、エンジェルロードは海面下にあり、東側を漕ぎ、小与島と大与島の海域を西側へ通過した。

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小余島と大余島の間を漕いで西海域へ:大余島(上)。東側から漕いで通過したエンジェルロード(下)

 大余島(の北側)に、青少年向けと思える施設があり、調べた。神戸YMCA 余島野外活動センターHPを引用します。「・・・神戸YMCA・・・1977年には余島野外活動センターを開設し、すべての人に開かれた・・・小豆島鹿島沖1kmに位置する周囲2.2kmの無人島は、干潮時には瀬が出現し、小豆島本島と陸続きになります。敷地面積約3万坪、標高差約50mの島内には、手付かずの自然が数多く・・・」と知った。

 宿泊も可能ゆえ、次回は家族で・・・。

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夕凪の瀬戸内海(左)。夕陽を浴びて輝く中余島と小余島(右上)。大余島を振り返り撮影(右下)

 日本海では体験し得ない波がほぼない海に、心も穏やか、ユッタリ。海域は鏡状態の夕凪で、想定外の光にも恵まれました。静寂な環境で、漕艇海域は貸し切り状態でした。
 小余島と大余島の間の(干潮期にはエンジェルロードを成す)海底が極近い浅瀬など、要所では小生が漕ぎました。エンジェルロードの西海域では、信じられないほどに無粋な彼女のパドル操作に委ねて、小生は環境に浸り、写真撮影も楽しみました。表題通り、[悠々カヤック]の至福のひと時・・・。
 大余島の周回も容易な環境・距離ですが、約束の時間は30分だったので、またの機会に委ねることにして、エンジェルロード海域のみのサンセットカヤックに留めました。

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弁天島と中余島の間は奥の山が海面に反射(左)。鏡面の海に映えた中余島の緑と岩肌が美しい

 紫外線を懸念し、「30分!」としていた彼女が、穏やかな夕陽を浴びつつ、「アナタ、もうすぐ日没になるわ。夕陽が沈むまで漕いでも良いわ」と、軽やかに仰せになられました。そのようにしました。
 小豆島本島側の弁天島は砂州が伸びて半島状の地ですが、遊歩道が整備され、岩山を登ると「約束の丘展望台」があり、エンジェルロードの俯瞰は必見です。弁天島から中余島の間の砂州が、いわば観光ロードです。そのエンジェルロードは海中に沈んでいますが、膝下を濡らして渡る観光客もいました。
 ここを漕いで通過すると、弁天島南の出艇地が至近となり、せっかくのサンセットカヤックは終わりになりかねません。西海域を漕いで戻り、再び、小余島と大余島の間を抜けることにしました。

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海水が満ちた弁天島と中余島の間を膝まで濡らして歩く大人たち(西側からの撮影)

 東側に出ると、当然ですが、余島は逆光になります。漕艇中に、偶然、中余島の南側の岩山に大きな穴があり、ここに夕陽が射し、奥が明るくオレンジ色に染まっているのに気づきました(18:30)。
 岩穴に夕陽を入れようと、艇を東に移動し、微調整しました。結果、岩穴を抜けた夕陽が海面に反射する光景を体験し、写真撮影もできました(18:32)。

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中余島の南に大穴が!(左)。艇を移動し、穴に夕陽を入れて撮影(中)。静寂で美しい夕景に見惚れつつ(右)

日没寸前の光にも感動しつつ(18:38)、約75分間のサンセットカヤックを堪能し得ました。 

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 翌朝(2010/8/3)の干潮期を狙ってエンジェルロードを再訪し、弁天島の「約束の丘展望台」へ上がり、俯瞰しました。幅広く中余島まで伸びているエンジェルロードは broad way!(09:25)
 中余島の東岸沿いの岩場を南へと歩き、前日の夕、海水に覆われていた地で記念撮影(09:33)しました。

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翌朝の干潮期に弁天島から眺めたエンジェルロード(左)。海面下にあった中余島の東側:奥は大余島(右)

 中余島の南側は岩山を従えるような構造で、ここに大穴が東西に開いていました。前日に夕陽を入れて漕いだ海域は、干潮期にはすっかり干上がっており、足を濡らすことなく歩けました。大穴を抜けて、西側へ。さらに、南へ移動し、小余島を介して、大余島を結ぶエンジェルロードの南端へ。ほぼ中央部の、前日に漕いで渡った辺りで折り返し、岩場伝いに戯れつつ、心は若いカップル調・・・。彼女を指標にして見ると、潮位の差が1.2m程度はあったでしょう。(調べたら大潮の日は2m以上!)
 山陰で生まれ育った身ゆえ、瀬戸内海の大きな潮位の変化を初体験した「悠々カヤック」でした。

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中余島の大穴をくぐって西側へ(左)。前日の夕にカヤックで通過した小余島と大余島の間も歩いて移動(右)

 最後に、国土地理院地図でエンジェルロードを確認し、地元・土庄町の絵地図を含めました。

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 エンジェルロード界隈には業者カヤックはありません。検索したら、業者の体験カヤックが可能な「漕ぎたい!」と心が動く地が2か所ありました。ふるさと村と瀬戸海水浴場です。各々、漕艇可能な地に景観が楽しめる弁天島、児島があり、ファミリーでも楽しめます。自身、再訪の夢を育みつつあります

 なお、2015年夏に、4艇を持参し、日本のエーゲ海「牛窓」でファミリーカヤックを体験しましたが、海の透明感が劣り、ガッカリでした。小豆島の海は及第点でしたが、それ以上に、山陰海岸ジオパークエリアの海に軍配が上がります。

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$:現在、販売は終了。現在、二人乗り艇は Intex(米)社のチャレンジャーK2カヤックがお勧めです。

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参照したHP(下記で検索)
エンジェルロード 土庄町]・[神戸YMCA 余島]・[小豆島ふるさと村]・[瀬戸の浜海水浴場

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 鳥取県東部医師会報 2023年3月号掲載 p.42-47 の原稿です。

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